
早朝の電車に揺られ
遠方のロケへ向かう途中の出来事
さっきまで何処かの楽しい宴に参加してたであろう
ゆらゆらでHappyな感じの女性が一人乗ってきた
彼女は模範的な“THE千鳥足”で
これから釣りに向かうであろうオッサンと自分の狭間に見事にシュッと収まった
と思いきや一瞬にして眠りについた様子
そして間もなく
骨盤辺りを軸に上体が四方へ傾き
倒れそうになりつつも
起き上がりこぼしの如く見事にバランスを取っていた
もはや一種の"舞い"だ アートだ
BGMに和太鼓の力強くも軽快なリズムが聴こえてきそうだった
ロンドン辺りで高い評価を受けるんじゃないだろうか 的な
やがて彼女は
本能でベストポジションを見付けたのか
突然舞うのを辞めた
間もなく
とてつもなく深いレム睡眠の境地に辿り着いた(であろう)
もはや目覚める彼女を想像する事は出来ない
果たして彼女の今後は如何なる展開か…
しばらくして
とある駅に停車した
そして発車ベルと共にドアが閉まり出したその瞬間
その彼女の眼‥いや瞳孔が開き
閉まる寸前で
車内から産まれ出るかの如く下車した
そこが彼女の終着駅だったかは定かではないが
あれは確実に内なるモノの仕業
“人間”
この血と骨と肉と皮の中には
まだまだ凄まじい本能と言う未知の能力が潜んでいるんじゃないか?って気がした
冬の早朝の出来事







