
つい先日
親しい役者仲間の誕生日をロケ先で迎た
何かしたいなと
とりあえず(恥ずかしい思いに耐えながらも)自分なりのプレゼントを購入した
"それ"を
午前零時に彼の部屋の前に「おめでとさんらいず」と書いた
出だしからスベってるmemoと一緒に置くと言う
ちょっと洒落た演出(自分では)をしようと
自分の部屋を出た
次の瞬間
「ガチャ」っと言う金属音がそのフロアに響き渡った
そう
インロックである
自分の、余りに見事なインロックに驚いた
同時に目線を下げると
何故か自分は下着にシャツ姿だった
(80年代の彼氏んちにお泊まりした翌朝の彼女スタイル)
彼の部屋は目の前だった
そう
油断したのである
自分の、余りに見事な油断に驚いた
(人生において一瞬の油断が命取りになる)
その瞬間
2つの事柄を懸念した
1つは
ドタバタとしてしまいサプライズなのにドアの向こうの彼に気付かれてしまう事
もう1つは
27歳(世間的には立派な社会人)の自分が
夜中にこんな姿でホテルのフロアでくねくねしてる事
凄く悩んだが
この格好でずっと身を潜めるのは難しそうなので
素早くエレベーターの脇にある内線のところまで行き
従業員の方に助けを求た
その素早さ 風の如し
呼んだはイイが
この格好のままはマズいとあたふたしながら
あげるつもりだった"そのプレゼント"で下着を隠すと言う無意味なフォーメーションで敵(味方?)を待ち受けた
数分後
鍵を持って来てくれたホテルのおじさんは
自分を見るなり
二度見した
その、余りに見事な二度見に驚いた
その瞳は
"それで隠す方が恥ずかしいだろ"と言わんばかりだった
不満顔なおじさんにより鍵は開けられた
誕生日の彼も物音や気配で起きては無いようだ
僕は深呼吸と共に仕切り直し
浴衣をきちんと着衣し
正式にプレゼントを置きに行った
もちろんドアは足で開けたまま
「これで良し、と」
僕はその夜
多くを学んだ
一日一生
斎藤工
p.s.
翌日改めて現場にて
スタッフsan方とケーキやプレゼントで彼を祝った
そして彼は
昨夜の僕のプレゼントの事を皆の前で話した
"何"を貰ったかを
次の瞬間
メイキング撮影をしていた方々が
ゆっくり僕の方を振り返り
冷めた目で一言
「‥これ使えないわ」
完。