

人命・医療・インフラ第一ですが
映画や芸術は心のインフラ
映画館と言うを希望の場所を残したいです
今夜まで
第132回 『娘は戦場で生まれた』
新型のVirus同様
長期戦を見据えていたのですが
思いの外
映画秘宝が不死鳥の如く早期復活との朗報により
この"勝手に連載"も2回で終わりそうです
今 この状況下でナニを観るべきか
明るく前向きになれる
自己啓発本的な映画だけが相応しい訳ではないと
個人的には思う
あくまで個人的に
本作は
シリアのアレッポと言う
終わりの見えない戦地・極地になってしまった地域のある夫婦の壮絶な日常
包囲爆撃の中奇跡的に誕生する生命に纏わるドキュメンタリー
微妙くも
この我々(世界)の置かれた状況に対する力強いエールの様にも思えた
攻撃をして来る脅威対象が眼に見えるか否かと言う事は大いに違うが
目の前で起きている現実を直視する 対峙する
そこから身の振り方を考える
例えば
移らない様に < 移さない様に の意識だったり
現代は『FOR SAMA』
戦場で生まれた"サマ"と言う娘に向けた母親からのビデオレター
サマは"空"を意味する
空軍の姿のない
鳥が自由に飛んでいる平和で豊かな空を願って付けられた名前
時折りドローンによるアレッポの情景は入るが
基本的には監督であるジャーナリスト
ワアド・アル・カデブの主観で物語は紡がれる
物語と言うか進行形の事実である
なので観客は"その場"にいる事になる
差し詰めVR版内戦地区といった所だろうか
怪獣映画も真っ青なくらい
凄まじいクラスター爆弾による爆撃の日々
TVのニュースで流れる戦地の映像の中に放り込まれた気分だが
特質しているのは母親から娘に対するビデオレターであると言う観点
サマ(娘)がどんな場所に
どんなタイミングで生まれたのか
それを母親が命がけで記録している
監督ワアドの旦那であるハザムは数少ない医者である為
アレッポを離れない決断をする
医療サービスの無いアレッポにて
病院を自主的に営業し
毎日の様に多くの命を救っている
アレッポのライフラインの様な存在である
独裁政権後 止まない空爆
日々失われる沢山の命 真っ赤な血の海
同じ場所で生まれる新たな命
嘘みたいな地獄絵の中に
キラキラしたアレッポの子供達
次々に友達が居なくなる中
爆撃で廃車になったバスに色を塗り
車内で遊ぶ彼らは
子供ながらに置かれた危機的状況を理解していて
爆弾の種類を把握し爆撃音にも怯えず慣れている
そして"死"を身近に感じている様に思えた
同時にある少年は「建築家になって、将来アレッポを建て直す」と言う気持ちを持っていたり
周りの大人にとっての希望でもある存在である
ただ
彼等は明らかにそこに居るべきでは無い
監督のワアドが言う
アレッポは"目を閉じても赤い"
そんな"赤い世界"で生まれたサマ
こんな説明文だと目を覆いたくなる描写の連続と思われるかも知れないが
本作は
希望の光も与えてくれる
暗闇からの僅かな光
ジャーナリストであるアワドが本作でカメラを回した事は
『シティ・オブ・ゴッド』で主人公のブスカペが
拳銃では無くカメラを構えた事に意味合いが近い気がした
"共通の敵"と言う結託・結束のきっかけが目の前にあるのならば
例え一時的だとしても
普段は繋がれない手が繋がれるべきで
そう言った
今の状況下を人間が活かす事が出来た時
はじめて戦えるのではないだろうか
"新型"に対して我々人間も
布陣を新たに新型に更新して行くのは今しかない
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"この病に効くワクチンは未だに開発されてない かすかに望みがあるとすれば 俺にとっては音楽だったはずで 仮に一日中家の中に居ようとも 心の中だけは自粛するな 情熱よ自粛するな 人を思う気持ちを自粛するな"
MOROHA |
第131回
『いつくしみふかき』
未だに咀嚼しきれていないが 日韓の映画偏差値の差が露呈した昨今に
もの凄い可能性を秘めた邦画が誕生したかも知れない
この作品で描かれている様に 今もこの国の何処かの小さな半径(地域)による大きく伝統的な抑圧や軋轢が
進行形で行われているのではないだろうかと思わされた(おそらく行われている)
TVでは表現出来ないタブーやコンプライアンスを映画と言う表現で描く自由度が失われつつある中
大山晃一郎監督は
この骨太かつ繊細な題材を握りしめて
ど真ん中に豪速球を投げ入れた
主演の渡辺いっけいさんや遠山雄さんをはじめキャスティング
遠山郷の美しさや飯田弁も不気味にハマりまくっていてる
観ちゃいけない(観たい)真実がそこにあった気がした
現代邦画の本来の武器・長所が詰まった傑作
劇場で受け止めるべし
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お父ちゃんあるある的
贅沢な狐火フルコース
物語と音楽の交点に心が躍る
"校内放送"に心臓を掴まれ
斬新で愛あるエンドロールに更にやられた
![]() |
各国で暴れ出した 映画『MANRIKI』 邦画界が制作を放棄した 奇妙奇天烈なこの作品
アナタの感覚はどう反応するか 是非『MANRIKI』を宜しくお願いします ![]() |
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